幼児の言葉を伸ばすコツ―お子さんの言葉が遅いとお悩みのママ必見

子どもと楽しくお勉強

赤ちゃんの言葉の発達を促すには、興味に合わせた適切な言葉がけをたくさんしていくことが大切です。

温かい「言葉のシャワー」をかけてあげたり、気持ちのいい「言葉のお風呂」に入れてあげるという気持ちで接すると良いようです。

とはいえ、反応の乏しい赤ちゃんに言葉かけをするのは、なかなか難しいですよね。言葉選びも難しいですし、独り言みたいになってしまうので、照れもありますし。

特に、第一子を子育て中の新米ママの中には、赤ちゃんへの声かけが苦手な方が多いと思います。

このページでは、そんな方におすすめしたいテクニックなどをご紹介します。

赤ちゃんへの声かけが上手になるテクニック

その1:「赤ちゃん向けの絵本をたくさん読み、その言葉遣いを参考にする」

赤ちゃん向けの絵本は、赤ちゃんに分かりやすい表現、赤ちゃんの好きな擬音語、繰り返しなどが上手に使われているのでとても参考になります。

例えば絵本に「ぞうさん お鼻が長いね ぱおーん」と書いてあったら、なんとなくでいいのでその表現やリズムを覚えておいてください。

次にお子さんと一緒にぞうのイラストなどを見た時には、同じように声掛けするといいですよ。

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こどもちゃれんじの絵本なども参考になりますよ。私は子どもに帽子をかぶせる時に「帽子をかぶろうね」と言っていたのですが、こどもちゃれんじでは「帽子をポン」って表現していて面白いなと思いました。

その2:「赤ちゃんの様子を描写する。気持ちを代弁する」

何を話すか困った時、赤ちゃんが笑っていたら「ニコニコだね」。ぐずっていたら「おねむかな」と赤ちゃんについて突っ込んでいれば話題が途切れません。

このテクニックは、よそのお子さんに声をかける時にも使えますよ。

その3:「自分の実況中継をする」

家事をしている時は赤ちゃんを無視してしまいがちですが、たまにでいいので家事しながら「ママはお料理中~」「洗濯物を干しまーす」などとママの行動を描写して赤ちゃんに教えてあげるといいと思います。

その4:「体も一緒に動かす」

赤ちゃんと一緒に体を動かしながら声掛けすると、ママは自然と言葉が出てくるし、赤ちゃんは動きと一緒に言葉を覚えられるので分かりやすいというメリットがあります。

例えば「たかいたかい」や追いかけっこで「まてまて」など、いろいろ一緒に楽しんでみてください。

その5:「物を動かして注意を引く」

生後15か月頃までの赤ちゃんに有効な「モーショニーズ」という、声掛けテクニックがあります。

これは物を小刻みにリズミカルに動かしながら、赤ちゃんの注意を引いているうちにその物の名前を教えるというテクニックです。

物の名前を言う時もリズムに合わせて歌うようにするといいそうです。

言葉かけ以外で大事なこと

赤ちゃんへの言葉がけと同様に大切なのが、赤ちゃんの発言に(意味のない喃語でも)反応してあげることです。

赤ちゃんが何か言っていたらお返事したり、笑ったり、頭をなでるなど何か反応してあげることで、子どもは「言葉を発すると親の注意が引ける」と気付き、言葉を出す動機になるそうです。

まだ自分の子が言葉を話さないと焦っているママへ

このページを読んでくださっているママの中には、1歳後半~2歳代のお子さんがまだしゃべらないと心配してここにたどり着いた方もいるかもしれません。そのような方に向けて書きます。

赤ちゃんが初めて話す言葉(=初語)は、話しかける(水やり)でコップに水がたまっていって、それがあふれた時に出て来ると言われています。

そう聞くと、自分があまり話しかけなかったから子どもの言葉が遅いのかと後悔される方もいるかもしれませんが、気にしないでくださいね。

言葉の遅い子は水やりの量が少ない可能性ももちろんありますが、他の子よりコップが大きい子という個性なのかもしれません。なのでママは自分を責めないでいいと思います。

言葉の発達には言葉のコップだけでなくて、性格(内気さ)や、運動面での発達も影響しますので、親がどうにかできる問題でないこともあります。

どれだけ発達しているのか言葉に出してくれるまでは分からないのでハラハラしますが、お子さんがまだ言葉をしゃべらなくても、言葉を理解しているようであればそんなに焦らないで様子を見ることをおすすめします。

たいていの場合、言葉が遅いお子さんもどんどん追いつきます。

もしお子さんの初語を引き出すために声掛けを頑張ろうと思うのなら、「ぶーぶー」などの赤ちゃん言葉や、他の子が初語として発言している言葉をたくさん教えてあげるといいと思います。
(それらが赤ちゃんの興味を持ちやすかったり発音しやすい言葉なので)

参考までに、うちの子が初語を話し始めた頃にしゃべれた単語を書いておきます。

「まんま(ご飯)」
「ママ」
「ちゃちゃ(お茶)」
「あんよ(足)」
「ジュー(ジュース)」
「アンマン(アンパンマン)」
「ないない(しまう)」
「うん」

ママ一人で抱え込まないことも大切

子どもの発語が遅いとママは自分がもっと頑張らなくちゃと思うかもしれませんが、周囲の人(パパや祖父母など)にもっと頑張ってもらうという手もあります。

「赤ちゃんは同じ人から同じ言葉を何回も聞くよりも、いろんな人から同じ言葉を何回も聞いた方がよりよく覚える」らしいです。

ちなみに、赤ちゃんは高い声を好んで聞き取ろうとするらしいので、パパやおじいちゃんが赤ちゃんに声かけをするときは、ちょっと高めの声を出してもらった方がいいかもしれません

パパが仕事で忙しかったり実家が遠いなどの場合は、電車の中などで話しかけてきた人やママ友などを上手く利用してください。

幼児の言葉を伸ばすコツ

●お子さんの言葉の発達が遅いとお悩みの方、もっと言葉を伸ばしてあげたいとお考えの方にお薦めの本があります。

イギリスの言語聴覚士サリー・ウォードさんの0~4歳 わが子の発達に合わせた1日30分間「語りかけ」育児です。

興味はあるけれど、今すぐは読む時間がない!という方のためにこの本の要点を簡潔にまとめますと、

「1日30分、静かな環境で、その子の興味に合わせて声かけをする」
です。

そういった時間を設けることで、子どもの言葉の発達をうながすだけでなく、親子関係も良好になるそうです。

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うちではその時間を「ハネムーンタイム」と呼んで、できるだけ子どものやりたいことを尊重するようにしました。

子どもの興味を持っている物は、子どもの視線の先にある物や指差しした物などを参考に見つけます。

この育児書はとても良書なのでぜひご自分でも読んでいただきたいですが、とても分厚く専門的な内容で読むのはけっこう大変です。(同じ内容が繰り返されている部分もあるので、飛ばし読みでいいかもしれません)私はとりあえず該当する月齢のところだけ少しずつ読んでいます。

この本に書かれていたことで私が特に参考にしているのは、「いろんな音を聞かせ、声や音を聞くのは楽しいと思わせる」「発言と発言の間には十分に間を取る」などです。

【ご注意】この本に出てくる「○か月で~できる」という目安はけっこう早めに書いてあります。気にしすぎないようにしてください。

赤ちゃんの言葉を増やす声かけ方法

言葉が出始めたばかりの赤ちゃん(1歳児)への声かけにはコツがあります。

それは、「ゆっくり話すこと」「その子が理解できるレベルで、新情報も得られるように話しかけること」、「大事なことは繰り返すこと」「歌など、耳に入ってきやすい形にすること」です。

※上記で紹介したサリー・ウォードさんの理論を参考にしていますが、かなり自分流にアレンジしています。ちなみにサリー・ウォードさんは1歳児への質問を禁止しています。質問=子どもへのテストはプレッシャーになり、話すことが楽しく思えなくなるという理由からです。私は、たまになら質問してもいいと思います。

「その子が理解できる範囲内で、新情報も得られる」話しかけ方の具体例

●単語で話す子には、2語文レベルで応答します
例 子「ぶーぶー」 親「赤いぶーぶーだね」

●2語文で話す子には、3語文レベルで応答します
例 子「赤いぶーぶー」 親「赤くてかっこいいぶーぶーだね」

●3語文以上で話す子には、2文で話しかけます
例 子「赤くてかっこいいぶーぶーだ」 親「赤くてかっこいいぶーぶーだね。乗ってみたい?」

大事なことは繰り返すやり方

これは宣伝広告だと思うと分かりやすいです。不自然でない程度に何度も繰り返すことで、記憶に残ります。

「○○くんのまゆげ、立派なまゆげだね。ママのまゆげも触ってみて。」

歌など、耳に入ってきやすい形にする具体的なやり方

元々ある歌を利用してもいいですし、知っている歌の節を利用して、自分で替え歌を作ってもいいですね。多少強引でも問題ないです。

例1:ぞうさんの替え歌で、「○~くん、○~くん、お~ててはど~こかな?」

例2:教えたい単語を繰り返す歌「りんご~ りんご~ りんご~ 」

幼児の語彙を増やすドリル

幼児の語彙数を増やすドリルとしてお薦めしたいのが0・1・2さい もののなまえドリル (幼児ドリル単品)です。いろんなものの絵と名前が書いてあって、知っているかをチェックできるドリルです。

以前ベビーブックの特集で似たようなもの(幼児が日常で目にする、物や動物等の名前のチェックシート)があって便利だったので、大型の本屋さんでこの本を見つけた時に喜びました。こういう種類のドリルってありそうでないです。

このドリルには全ての単語に英語訳がついているので、幼児英語教育に取り組んでいる方にもお薦めです。

絵のセンスも良くて気に入っています。絵のセンスが良いって大事ですよね。取り組む親のテンションが変わります。

<ご注意>
0・1・2歳向けとなっていますが、「ぼくじょう」「キャビンアテンダント」等、対象年齢では少し難しい単語もいろいろ出てきます。逆に言えば、3歳児でも役に立つ内容だと思います。

幼児に優先的に教えたい50単語

上にも書いていますが、以前ベビーブックの記事で、「幼児が日常で目にする物や動物等の名前のチェックシート」がありました。どんな単語が挙げられていたのか引用したいと思います。

生き物
ぞう、しろくま、ねこ、はと、パンダ、かめ、ぶた、うさぎ、だちょう、いぬ、すずめ、ゴリラ、カンガルー、あり、さる、あひる、コアラ、かば、あざらし、きつね、きりん、りす、とんぼ

食べ物
かき(果物の)、プリン、おにぎり、ホットケーキ、オムライス、さつまいも、おこさまランチ、しいたけ、かぼちゃ、シチュー、りんご、おでん、うどん、ケーキ

いえのもの
さんりんしゃ、ぼうし、はブラシ、トイレ、スプーン、タオル、とけい、くつ、つみき、コップ、クレヨン、パンツ、パジャマ

だちょうやおこさまランチなど、別に知らなくてもよい気はしますが、どんな言葉を教え忘れているのかのチェックに使えると思います。2才前後のお子様をお持ちの方はお試しください。

幼児の語彙を増やす絵本

●うちの子にいろんな動物の名前を覚えさせるのに、「うしろにいるのだあれ」という絵本のシリーズがとても役に立ちました。

「○○の後ろにいるのはだあれ?」という問いかけで、体の一部が見えている動物を当てていくだけのシンプルな構成ですが、動物の名前だけでなく上下や前後の概念も学べます

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最後に実はみんなが近くにいたことが分かるという、ちょっとしたオチもあります。

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ある程度大きくなってからも「顔だけ見えている時はカバだと思ったけど、実はジュゴンだったね」などと知的な楽しみ方ができると思います。

※最初は知らなかったのですが、この絵本、愛子さまもお気に入りだったらしいです。愛子さまが読んでいるところがテレビで放映されたことがあるようです。

この絵本は生息地別にいろんなシリーズが出ているので、最初は一般的な動物が多く出てくるものにするといいと思います。

うしろにいるのだあれ―のはらのなかまたち

うしろにいるのだあれ―うみのなかまたち

●初語が出る前の赤ちゃんに読んであげるのに人気の絵本はじゃあじゃあびりびり (まついのりこのあかちゃんのほん)です。カラフルな色遣いや擬音語がいいみたいですね。

●定番ですが、はらぺこあおむしの絵本も語彙を増やしてくれます。

この絵本、最初は何がいいのか全然分からなかったのですが、食べ物の名前が学べ、曜日の名前が学べ、あおむしがさなぎになって蝶になることも学べ、色彩感覚も豊かになる、なかなかの知育絵本です。

ただし、あおむしが食べた物の例が日本人の子どもにあまり馴染みのない物なのが残念な気はします。(ピクルスやサラミやさくらんぼパイなど)

この絵本の内容は歌になっているので、それも歌ってあげるといいと思います。

ベビーサインは幼児の語彙を増やす!?

ベビーサインという、赤ちゃんと意思疎通を図るための手話のようなものがあります。例えば、手をグーパーすると「おっぱい」の意味になります。

育児にベビーサインを取り入れると、赤ちゃんが話しだしてからの語彙数が増えるという研究結果がありますので、興味のある方は試してみてもいいかもしれません。ベビーサインが習える教室も全国にありますよ。

わかる!話せる!らくらくベビーサイン [ベビーサイン公式キット]